くすりの木

勉強会の内容や、日々の業務で必要な知識を、健忘録としてこのブログに書いていきます。不定期更新です。

嗅覚異常について

嗅覚障害の種類 嗅覚脱失(においを全く感じない) 嗅覚減退・低下(においを感じる力が弱まる) 嗅覚過敏(鼻につくほど強くにおう) 嗅覚錯誤(今までとは違った悪臭のようなにおいを感じる) 嗅覚幻覚(実際には存在しないにおいを感じる) 自覚的悪臭症…

小児の手足の痛み。

考えられる原因 成長痛:夜間、痛みで寝付けず泣くこともある。 整形外科的疾患:靴の不具合、単純性股関節炎、偏平足、ペルテス病など 外傷:疲労骨折、捻挫、打撲、虐待によるもの。 感染症:化膿性関節炎、化膿性骨髄炎、筋膜炎。 膠原病:小児慢性関節炎…

小児の突発性発疹について。

突発性発疹とは 乳児(主に生後4ヶ月から1歳まで)が罹患する。 3~4日間、38度から40度近い熱が続き、熱が下がると同時に全身に発疹が発生する。 高熱でも、機嫌が良くミルクも良く飲む事が特徴。便がゆるくなる。 突発性発疹はHHV-6(ヒトヘルペスウイルス…

先天性耳瘻孔の簡単メモ。

先天性耳瘻孔congenital aural fistula 耳介は、発生上6個の組織の塊が融合して生じる。 この融合のさいに生じたと考えられるのがこの瘻孔(耳瘻孔aural fistula)となる。 多くは耳輪の起始部の前方に開口部があり、耳介軟骨の軟骨膜は盲管で終わっている。…

ホルモンの分類と作用機序:簡単まとめ

ホルモンの分類 ①タンパク質・ペプチドホルモン アミノ酸が連なったもの。 受容体は細胞膜に存在する。 脳下垂体ホルモン:副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、バソプレシン、オキシトシン等 視床下部ホルモン:副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、…

小児の薬物動態の特徴

薬物の吸収について 新生児の胃内pH は出生直後はほぼ中性であり、成人の値に達するのは生後三ヶ月。そのため、新生児ではフェノバルビタール、フェニトインなどの酸性薬物の吸収は低下し、ペニシリンのような酸に不安定な薬剤の吸収は成人に比べ上昇する。 …

NDM-1産生菌の特徴

NDM-1とは βラクタム剤を分解する、βラクタマーゼの1つ(クラスBβラクタマーゼ:メタロβラクタマーゼに分類される)。 ペニシリン、セフェム系からカルバペネム系まで全てのβラクタム剤を分解する。 つまり、βラクタム剤全てに耐性をもたらす耐性因子である…

MHC(主要組織適合遺伝子複合体)について

MHCとは 細胞膜表面に存在する糖タンパク質。自己細胞と非自己細胞を認識するための抗原。 全ての高等脊椎動物に存在する(人間ではHLA抗原、マウスではH-2抗原)。 人間のHLA遺伝子群は、第6染色体上に存在している事から、組織適合遺伝子複合体と呼ばれる…

多剤耐性アシネトバクターについて

アシネトバクターは環境に広く存在する菌 院内にも、自然界にも広く存在する細菌。 院内の床や、医療従事者の皮膚からも分離されるが、そのほとんどは抗菌薬に感受性がある。 乾燥した環境でも長時間生存できる アシネトバクターはブドウ糖非発酵のグラム陰…

テープ療法について。

粉瘤手術後、傷跡を出来るだけ目立たないようにするために、テープ療法を行いました。 使用するのは3M社のテープです。 テープ療法のやり方はこちら。 ※私の場合※ 手術をしたのが夏だったので、テープを貼り続けていると汗で痒くなってしまい、 2ヶ月くら…

小児のしらみ(アマタジラミ)について。

しらみは不潔だから感染するのではない 日本以外の地域でも幼児・学童に増加している。 しらみの感染は、頭髪の接触で簡単に感染する為であり、不潔だからではない。 家族や集団単位での治療と予防が必要になる。 アマタジラミの好発部位は頭髪(特に側頭部…

体液性免疫について

体液性免疫とは 異物の侵入によって抗体が産生され、抗体によって異物の排除を行う。 抗体は微生物の付着を阻止、毒素の中和、微生物の凝集、食細胞による貪食を促進させる。また、補体と共に細菌を溶解させる。 ①抗原 体内に侵入すると、免疫系の細胞が認識…

膜電位依存性カルシウムチャネルについて。

膜電位依存性カルシウムチャネルとは カルシウムイオンを選択的に透過させるイオンチャネル。 チャネルを通して流入したカルシウムイオンが、セカンドメッセンジャーとして筋収縮や伝達物質の放出等を制御する。 4種類の型があり、ぞれぞれ特徴がある。 閾…

中東呼吸器症候群(MERS)について

中東呼吸器症候群(MERS)とは 2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症。 コロナウイルスが原因で感染する(2003年に流行ったSARSもコロナウイルス)。 2015年6月までの状況では、感染報告地域は計25カ国。致死率38%。 感染経路 ヒトコブラクダがMERS…

小児の接触性皮膚炎

接触性皮膚炎の原因 灯油 火傷のような皮膚炎になる。灯油が付いた衣服との接触で生じる 植物 草によるかぶれでは、線状に並んだ小水疱型になる。 漆によるかぶれが起きた事がある子は、銀杏、マンゴーにも注意すること。 桜草、菊、アロエが原因で皮膚炎を…

反復性中耳炎のリスクファクター

反復性中耳炎とは 「過去6ヶ月以内に3回以上、12ヶ月以内に4回以上の急性中耳炎罹患」と定義される。 何らかのリスクファクターが、短期間に中耳炎を反復する原因となっていることが多い。 主なリスクファクター 低年齢 集団保育 母乳栄養期間 起炎菌の耐性…

ホルモン受容体と光受容体

ホルモン受容体 細胞膜受容体を介するホルモン ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、カテコールアミンを構成成分とするホルモン 機能の発現は受容体に結合した後に活性化されるセカンドメッセンジャー(cAMP、cGMP、イノシトール-1,4,5-三リン酸など)によ…

「侮れない耳鳴り」メモ:~チョイス:病気になった時~

耳鳴りは3つに分類される。 ①加齢性難聴と突発性難聴 ☆加齢性難聴 一番多い耳鳴り 軽度の難聴でも引き起こされる。 40代から発症する人もいる 聴力検査で、内耳の衰えを調べる。耳の中の血流が悪いのが原因。 動脈硬化と加齢性難聴は関係していると言われて…

低用量ピルの作用・分類・副作用について

【低用量ピルの作用】 排卵の抑制 子宮内膜抑制 頚管粘液の粘調 【低用量ピルの分類】 黄体ホルモンと卵胞ホルモンを併用した方が効果が高い。 高用量は卵胞ホルモンが50μg以上。中用量は50μg。低用量は50μg未満。超低用量ピルは30μg未満。 含まれる…

外リンパ瘻について

外リンパ瘻とは 耳小骨からの振動を音として感じる働きのある「内耳窓」が破れ、内耳の中にある「外リンパ液」が中耳に漏れ出す病気。 内耳窓が破れる時、「ポン!」と音がすることがある。 内耳窓は、中耳と内耳を仕切る膜で、前庭窓(卵円窓)と蝸牛窓(正…

粉瘤治療記録~手術中の会話が面白かった~

初めて粉瘤が出来まして、治療をしたのでまとめておこうと思います。 ※粉瘤は皮膚の下にある袋状の脂肪のかたまり(もしくは表皮の袋)です。 粉瘤腫 - Wikipedia 数ヶ月前に、左肩にポコっとしたものが出来まして。 脂肪かなとは思ったのですが、痛くないの…

サイエンスZERO「登場!がん治療を変える新薬ニボルマブ~免疫のブレーキを外せ~」まとめ。

今までの免疫療法の問題点 今までの免疫療法は、T細胞の数を増やしたり、力を強めることでがん細胞に対する攻撃力を高めていたが、ほとんどの人で効果が無かった。 これは、がん細胞がT細胞のブレーキボタン(PD-1)を押していたことが原因。 免疫を高めても…

アレルギー診断テストについて。

in vitroの試験 RAST (radioallergosorbent test) アレルゲンを結合させたペーパーディスクに、血清試料及び125I標識抗ヒトIgE血清を加えて、アレルゲン結合IgE抗体と複合体を形成させる。放射活性よりIgE抗体濃度を0~4に分類する。 アレルゲンディスクに…

P-drugとP-treatmentについて(メモ)

P-drug(personal drug)とは オランダのGroningen大学医学部における薬物療法(臨床薬理学)の教育プログラムから始まった。 WHOのAction Programme on Essential Drugの一貫として提唱されている概念。 Evidenceに基いて、自家薬籠中の薬を選び、それを各患…

乳がんについて(勉強会メモ)

乳がんとは 進行遅い。1センチになるのに7~8年かかる。長い潜伏期間あり。 昔の治療は、筋を含めて一塊に乳房を切り取る外科手術だったが、近年では温存療法が主流。外科の手術は縮小傾向にある。 乳がんの70%はエストロゲンで大きくなる。 治療について …

咽頭がん・喉頭がんについて。

咽頭(いんとう)がん・喉頭(こうとう)がんとは 日本では年間約800万人が癌になっているが、そのうちの1~2万人が喉の癌になる。 男性のリスクが高く(女性の10倍)、50代~60代に多い。 癌のリスクファクターは、タバコとアルコール。 咽頭がんの約90%…

【考察】ザジテンとクラリチンの共通点は?

ザジテンとクラリチンの共通点をご存知でしょうか。 まずは、それぞれの薬の構造式と特徴的な禁忌・副作用について見てみましょう。 ザジテン(ケトチフェンフマル酸塩) ザジテンは、てんかん又はその既往歴のある患者には禁忌です。 (痙攣閾値を低下させ…

NHKスペシャル「腰痛・治療革命~見えてきた痛みのメカニズム」メモ

慢性腰痛とは 腰痛に苦しんでいる人は、約2800万人。そのうちの半数が、慢性腰痛になっている。 慢性腰痛とは、痛みが3ヶ月以上続く腰痛のこと。 腰痛で働けなくなる人も多く、腰痛による経済的損失も無視出来ない。 腰の痛みの原因は、骨(椎間板ヘル…

Toll様レセプター(TLR)について

生体防御免疫は、獲得免疫系と自然免疫系の2つに大きく分けられる。 獲得免疫系 脊椎動物のみが有する高等な免疫系で、B細胞やT細胞が関係する。 認識する対象は抗原で、認識受容体はBCR、TCR。 一度侵入した病原体由来の抗原をT細胞が記憶し、再びこの抗原…

ウイルスについて

ウイルスとは 真菌、細菌とは異なり、それ自身で人口培地上で増殖することができない。 極めて小さく、光学顕微鏡では観察できない。 ラテン語で「毒」を意味する言葉。 ウイルスの性状 細菌濾過膜を通過する大きさ(約20~300nm)。 遺伝子としてDNAあるいは…

耳垢栓塞について

耳垢とは 耳垢は、外耳道の分泌腺から分泌される分泌液とホコリなどが交じることで形成される。 耳垢には湿性と乾性の二種類あり、日本人の約7割は乾性の耳垢である。湿性タイプの多い欧米では、耳垢除去に関するガイドラインが作成されているが、乾性タイプ…

デング熱で注意すべき事

デングウイルスを媒体する蚊は人の住環境に生息しているので、森や林で感染するとは限らない。 都市部で感染が流行することもあるので、注意が必要。 【症状】 デングウイルスを持った蚊に刺された後、約2~15日(多くの場合は2~7日)後に発症する。 …

別冊宝島「人体大図鑑」がなかなか良いです!

別冊宝島の「人体大図鑑」。 職場の人に勧められて、買ってみました。 意外と詳しく載っていて、とても良いです! しかもお値段980円(税別)!! 養老孟司先生が監修をされています。 病気の発症についても載っていました。 専門の人には情報量が少ない…

熱中症について

熱中症とは 熱中症とは、高温環境下で起こる 体内の水分や電解質(ナトリウム・カリウムなど)の欠乏 高体温による臓器障害 の総称。 熱中症の要因 気温、湿度が高く、風が弱い 輻射熱の上昇 運動による体内での熱産生 加齢などによる身体の放熱能の低下 発…

椎骨脳底動脈循環不全によるめまいについて。

椎骨脳底動脈とは 椎骨脳底動脈とは、内勁動脈と共に脳に血液を送る動脈のこと。 鎖骨下動脈から分岐し、脳幹、小脳に血液を送る。 左右1対づつある椎骨動脈が頭蓋骨内(橋の後縁)で合流し、1本の脳底動脈となる。 椎骨脳底動脈循環不全とは 椎骨動脈の循…

うつ病の最先端検査と治療法について(テレビ番組『医療の現場』メモ)

【概要】 目で見てうつ病かどうか判断出来る検査(光トポグラフィー検査)の登場により、問診だけの診断を補助し、より適切な治療が行えるようになった。 薬剤を内服しても、約3割の人は症状の改善がみられないことがある。そのような人の場合、自殺願望が…

ヒルシュスプルング病について。

概要 ヒルシュスプルング病とは、腸管の神経節細胞が先天的に欠如している為、消化管の動きが制御できず、重い便秘症や腸閉塞などの症状が起きる疾患。 無神経節腸管の長さは、約80%が肛門からS状結腸までであるが、大腸全てや小腸まで及ぶ例もある。 症状 …

甲状腺ホルモンについて

【甲状腺ホルモン】 ◎トリヨードチロニン(T3) ◎チロキシン(T4) ペプチドでもステロイドでもない低分子物質で、アミノ酸であるフェニルアラニンから生合成される。分子内にヨウ素原子を持つ。 TSH(甲状腺刺激ホルモン)により甲状腺から分泌される。 甲…

慢性副鼻腔炎の成立と治療について

【鼻腔】 鼻腔の周囲には、上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞の4対の副鼻腔が存在する。 副鼻腔は自然口と呼ばれる直径2~3㎜の穴で鼻腔とつながり、常に副鼻腔内の換気が行われている。また、内部の粘膜は線毛に覆われ、ウイルスや粘液等の排泄機能を有…

腫瘍の分類~良性?悪性?~

【腫瘍とは】 腫瘍とは、過剰な自立性をもつ新生細胞群(腫瘍実質)と、それを支える組織である腫瘍間質からなる。 腫瘍は 良性か悪性かに分類される。悪性腫瘍は更に、癌腫か肉腫かに分かれる。 【良性腫瘍】 ある程度の大きさになると成長が止まり、転移及…

慢性便秘症の診断と治療について(勉強会メモ)

慢性便秘症は2つのタイプに分けられる。 大腸通過遅延型 便排出障害型 大腸通過遅延型の場合は、食物繊維の摂取、酸化マグネシウムを内服する。 便排出障害型の場合は、排便造影検査、大腸通過検査を行う。レスキューとして、刺激性下剤を使用する(出なか…

マクロライド系抗生物質の特徴、抗菌以外の作用について。

【マクロライド系の抗菌作用の特徴】 細菌のリボソーム50Sサブユニットに結合し、細菌のタンパク合成を阻害して増殖を抑制する。 時間依存性である。 静菌的に作用するが、高濃度もしくは菌の種類によっては殺菌的に働く。 組織移行性が高く、細胞内へも高濃…

【すぐに出来る】花粉症の為の生活改善のポイント!

辛い花粉症の時期を、出来るだけ楽に乗り切りたいですよね。 すぐに出来る生活改善のポイントを5つ挙げますので、参考にしてください。 【その1】植物油を多く摂らない! 植物油に含まれるリノール酸(n-6系)は、体内でアラキドン酸に変化し、炎症を促進…

高カリウム血症について

【高カリウム血症を生ずる病態】 腎不全 正常なナトリウム、カリウムの交換が妨げられている状態。 出血性ショックと、急性腎不全により循環血液量減少が起こると、身体は可能な限り血圧と血液量を維持しようと務める。腎臓の機能停止のおそれのあるような乏…

【小児】発熱時はテオフィリン濃度が上昇する。

【発熱時はテオフィリンの血中濃度に注意】 発熱時や、インフルエンザなどの急性ウイルス観戦時には、肝臓でのテオフィリン代謝能力が低下し、テオフィリン血中濃度が上昇する。 したがって、発熱時には血中濃度上昇による副作用に注意が必要。 副作用の疑い…

NSAIDsの外用剤は不妊を引き起こすか?

【NSAIDsによる不妊報告について】 長期間NSAIDsを服用していた患者に一時的な不妊が認められたという症例が海外で報告された。 酸性NSAIDs(インドメタシン、ジクロフェナク、ピロキシカム、ナプロキセン)を数年間服用していた慢性関節リウマチ等の炎症性…

PRGF法について

PRGF法とは、plasma Rich in Growth Factors の略。 患者から採取した血液を遠心分離にかけ、中の増殖因子(成長因子)を多く含む血症を用いて治療する方法。 自己血を使用するため、副作用はほとんど無く、更に治療期間を短縮できるという利点がある。 プロ…

医療事故を防ぐ為には~ハインリッヒの法則~

【人間は間違いを起こすもの】 人とは間違いを起こすもの。 個人の経験、知性、動機、注意力とは無関係に、人は間違えを起こす。 患者の安全を守る為には、 間違いを少しでも減らすための対策 もし間違いを起こしても、事故に拡大させないための対策 をとる…

中耳炎に対する漢方薬(小児)。

抵抗性のある中耳炎や反復する中耳炎に対しては、宿主の生体防御機能のサポートとして漢方治療が注目されている。 【乳幼児の免疫について】 乳幼児、特に2歳未満は一過性のグロブリン低下期間となり、免疫系のスロースターター群と考えられている。 母体由…

中耳炎時の家庭での対応について。

中耳炎発症時の家庭での注意点について記します。 【生活時の基本的な注意について】 帰宅時の手洗い、鼻かみ後の手洗いをしっかり行う。 人混みは避ける。 鼓膜切開後の生活の制限は特に無い。ただし、耳漏が出ている間はスイミング禁止。入浴時に耳に水を…