くすりの木

勉強会の内容や、日々の業務で必要な知識を、健忘録としてこのブログに書いていきます。不定期更新です。

緑内障治療について その1

緑内障の治療の意義》

日本の失明の約25%は緑内障。40歳から発症し始める。

自覚症状は末期まで無い。20~30年かかってゆっくり進行し、無症状で経過する。

充血や痛みなどが出てくるのは、非常にまれ。

眼圧の高くない緑内障が日本人に最も多いタイプ(約72%)

放置すれば失明する可能性があるが、早期発見し治療すれば病気の進行は止められる。

一度失われた視神経視野は元に戻せないので、進行を食い止めるのが大事。

眼圧を30%下げた群は、80%進行ストップしたが、何もしない群は40%しか進行がストップしなかった。

 

緑内障の種類》

・開放隅角緑内障:隅角は開いているが、繊維柱帯が詰まって房水が排出しにくい。ほとんどの人がかかるのがこのタイプ。

・閉鎖隅角緑内障:隅角が閉まり、房水が排出しにくくなる。

 

 

視神経は弱いので、圧が上がって力がかかると信号が脳に行かなくなり、視野欠損になる可能性がある。

視力1.5でも視野がほとんどない場合があり、視力検査には限界がある。

 

《生活習慣と緑内障の関係》

・血圧とは関係無いが、生活習慣病緑内障を悪化させることがある。

緑内障は遺伝するが、必ずなるわけではない。なりやすい家系はある。

 親子では2.2倍、兄弟では3~6倍になるので、親戚に緑内障の人がいる場合は、検査した方がよいだろう。

・食事と緑内障は無関係だが、fat free dietは眼圧を下げたという報告はある。

・カフェインも通常の摂取量であれば問題ない。

・タバコは血管を収縮させるので、緑内障には良くない。

・水分も普通に摂って問題ない。

 (昔飲水負荷試験があった影響で、水分の事を気にする人がいる)

・うつ伏せや、暗い所も問題ない。

 

緑内障急性発作を起こしやすい人》

・中年の女性

・遠視、元々目が良かった人。

 ※急性発作の誘引として、うつぶせ、暗い所、短時間大量飲水が挙げられる