くすりの木

勉強会の内容や、日々の業務で必要な知識を、健忘録としてこのブログに書いていきます。不定期更新です。

アレルギー性接触皮膚炎について。

【アレルギー性接触皮膚炎とは】

特定の原因物質(アレルゲン)に触れると、皮膚の炎症が起きる病気。

症状の多くは、アレルゲンに触れてから1~2日経ってから現れる。

強いかゆみ、赤み、腫れ、水ぶくれが出来る。

アレルゲンの接触が繰り返されると症状が悪化し、慢性湿疹になる。

 

【再発を予防するには】

なぜ皮膚炎が出来るのか、その原因物質(アレルゲン)を特定し、日常生活でそのアレルゲンに接触しないようにすることが大事。

特に、水仕事や摩擦で皮膚のバリア機能が低下しやすい手は、アレルゲンの刺激を受けやすい。

日頃から手袋をしたり、こまめに保湿して手あれを防いでおく事が重要。

また、汗をかきやすい夏は、水分でアレルゲンが溶け出して症状が現れやすくなる為、注意が必要。

 

【パッチテスト】

原因物質(アレルゲン)を特定するために行う。

正しく行わないと、偽陽性偽陰性になることがあるので注意。

パッチテストで陽性反応が確認されても、それが原因物質とすぐには断定出来ない。接触経験を確認した上で、皮膚炎の原因かどうかを判定する。

市販の検査薬を使う場合もあるが、原因と思われる物質を希釈したり、溶出させたものをシートに染み込ませて使用する場合もある。

化粧品は薄めずにそのまま使う。

 

《方法》

パッチテストテープを皮膚面に貼付する。48時間後にパッチテストテープを剥がし、剥がしてから30分から1時間後及び1日又は2日後に反応を以下の基準により判定する。なお、必要に応じて剥がしてから3〜5日後にも同様に判定する。

− :反応なし
? :点在性紅斑 (疑わしい反応)
+ :紅斑及び浸潤、点在性丘疹 (弱陽性反応)
++ :紅斑、浸潤、丘疹及び小水疱 (強陽性反応)
+++ :紅斑、浸潤及び小水疱の融合 (極度の陽性反応)
IR :刺激反応

 

【原因物質と、注意すべき生活用品】

※今回は佐藤製薬のパッチテスト製剤「コバルト」「ニッケル」「クロム」「ホルムアルデヒド」「メルカプトベンゾチアゾール」「チメロサール」について記載する。

 

《コバルト》

塗料や染料として使用されている。

コバルトブルー、エナメル、ラッカー、陶器のうわぐすり、絵の具、ジッパーやファスナーなどの合金、ガラス製品、メガネのフレーム、乾燥剤、染毛剤、粘土、ハエ取り紙、セメントなど。

食物では、豆類、木の実、キャベツ、レバー、ホタテ、チョコレートなど。

 

《ニッケル》

腕時計、ネックレス、イヤリング、ピアス、ビューラー、ジッパー、ファスナー、メガネのフレーム、乾電池、磁石など。

ペンキやニスなどの塗料、セメント。

歯科用の合金にニッケルが含まれていることがあるので、歯科で治療を受けるときはアレルギーがあることを必ず伝えること。

食物では、豆類、木の実、玄米、そば、牡蠣、タバコなど。

薬では、大黄末に含有。

 

《クロム》

クロムなめし革製品(靴、かばん、手袋など)、塗料、陶磁器うわぐすり、ペンキ、ニス、セメントなど。

マッチにも含まれているので、ライターを使用すること。

食物では、じゃがいも、玉ねぎ、マッシュルーム、チョコレートなど。

 

ホルムアルデヒド

衣類、柔軟仕上げ剤、家具コーティング剤、接着剤、プラスチック製品、タバコの煙、建築資材、外国製の化粧品など。

ワクチンに含まれていることがあるので、主治医にアレルギーがあることを伝えること。

新しい衣類は、洗ってから使用すること。

 

《メルカプトベンゾチアゾール》

ゴム製品(長靴、手袋、スニーカー、輪ゴム、ゴムベルト、ゴム製の耳栓、タイヤ、電気コードなど)。

 

チメロサール

ソフトコンタクトレンズの洗浄剤、ワクチン、点眼薬など。

化粧品にも含まれていることがあるので、確認してから使用すること。

ワクチン接種の際には、主治医にアレルギーがあることを伝えること。

 

 

 

 

 

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