Toll様レセプター(TLR)について
生体防御免疫は、獲得免疫系と自然免疫系の2つに大きく分けられる。
獲得免疫系
- 脊椎動物のみが有する高等な免疫系で、B細胞やT細胞が関係する。
- 認識する対象は抗原で、認識受容体はBCR、TCR。
- 一度侵入した病原体由来の抗原をT細胞が記憶し、再びこの抗原の侵入がT細胞上にあるCD4を介して認識されると、抗原特異的な免疫応答を誘導する。
自然免疫系
- 生体に備わっている免疫で、マクロファージや樹状細胞、好中球が関係している。
- 認識する対象は病原体由来の分子構造(PAMP)で、認識受容体はPRRやTLR。
- 無脊椎動物や脊椎動物で、獲得免疫系の活性化が起こる前に生体防御反応が誘導される。
獲得免疫系では、抗原受容体はCD4などであるが、自然免疫系では、Toll様レセプター(TLR)が外来異物の認識に非常に重要な役割を果たしている事が近年解明された。
Tollレセプターは、1996年にショウジョウバエにおいて細菌や真菌などの病原体の侵入を知らせ、感染防御反応を誘導する受容体として発見された。
哺乳類にも、Tollレセプターと似た構造を持つものが、免疫系に大きく関与していることが発見され、Toll様レセプター(TLR)と名付けられた。
自然免疫系では、グラム陰性菌のリポ多糖のような外来異物をそのまま認識して、貪食細胞が処理を行う。
Toll様レセプター(TLR)は、その貪食細胞上に存在し、リポ多糖を認識する膜貫通タンパク分子である。
ランキングに参加しています。
よろしければポチッと応援お願い致します。