アレルギー診断テストについて。
in vitroの試験
RAST (radioallergosorbent test)
- アレルゲンを結合させたペーパーディスクに、血清試料及び125I標識抗ヒトIgE血清を加えて、アレルゲン結合IgE抗体と複合体を形成させる。放射活性よりIgE抗体濃度を0~4に分類する。
- アレルゲンディスクには、イネ科植物花粉、雑草花粉、樹木花粉、動物上皮、ダニ類、室内塵、真菌類、食物などに対するものがある。
- 判定(0陰性、1境界線、2陽性、3強陽性、4最強陽性)
MAST (multiple antigen simultaneous test)
- 一般的なアレルゲンのスクリーニングに開発された方法。
- アレルゲンを結合させた専門容器に、血清及び標識抗体を加え反応後、基質溶液を加えて発光させる。
- 発光強度より、アレルゲンの有無を判定する。
- RAST法とは異なり、アイソトープを必要とせず簡便である。一度に多くの検体を測定できるという利点もある。
- 判定(0陰性、1/0偽陽性、1以上陽性)
リンパ球芽球化反応試験(D-LST drug lymphocyte stimulation test)
- 遅延型アレルギーが疑われる場合に用いる。
- 全血から採取したリンパ球をコントロール及び被偽薬下にて培養し比較する。
- 細胞培養反応という不安定な検査のため、感度はあまり高いとはいえない。
in vivoの試験
パッチテスト(貼布試験)
- 安全性が高く、試薬の調整が容易だが、陽性率が低い。
- 通常は10%ワセリン試薬を用いるが、オリーブ油、精製水を基材として、もしくは直接調布で用いることもある。
- 判定は貼付後48時間と72時間に行う。
プリックテスト(穿刺試験)
- 皮内テストに比べると安全性は高いが、感度は劣る。スクラッチテストよりも痛みは少ない。
- 皮膚消毒後、試薬を1滴滴下し、その部位の皮膚に皮内注射針を刺し、軽く針を持ち上げて試薬を挿入、15分後に判定する。
- 試薬は通常、注射剤の製法により調整した1%水溶液、生食液を用いる。
- 抗ヒスタミン剤、ステロイド剤は陽性反応をマスクする。
- 判定(膨疹平均5mm以上、発赤平均15mm以上で陽性。)
スクラッチテスト
- 試薬、判定はプリックテストに準ずる。
- 消毒した皮膚に注射針で軽くひっかき、試薬を1滴滴下する。
- 判定は15分後に行う。
皮内テスト
- 感度はプリックテスト・スクラッチテストよりも良い。
- まれにアナフィラキシー・ショックを誘発することがある。
- 試薬は通常、注射剤の製法により調整した0.1%生食液を用いる。
- 消毒した皮膚に試薬を0.02mL皮内注射する。判定は15分後。
- 膨疹平均9mm以上、発赤平均20mm以上を陽性とする。
うがい試験
- 全身性薬疹の誘発試験の代用に用いられる。
- 誤飲に注意すること。全身の発赤、掻痒を指標とする。
フォトパッチテスト(光線貼付試験)
- 光線過敏症薬疹の判定に用いる。
- UVA、UVBを照射し、最小紅斑量を測定する。
- パッチテスト2セットを貼付し、1セットは48時間後UVA、UVBを照射、72時間後に判定する。
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