くすりの木

勉強会の内容や、日々の業務で必要な知識を、健忘録としてこのブログに書いていきます。不定期更新です。

中東呼吸器症候群(MERS)について

中東呼吸器症候群(MERS)とは

 

感染経路

  • ヒトコブラクダがMERSコロナウイルスを保有しており,ヒトコブラクダとの濃厚接触が感染リスクであると考えられている。
  • 咳やくしゃみなどの飛沫感染と、接触感染が疑われる。
  • 家族間,感染対策が不十分な医療機関などにおけるヒトーヒト感染も報告されているが限定的で、持続的なヒトーヒト感染ではない。

 

臨床所見

  • 発熱、咳嗽(がいそう)から急速に肺炎を発症する。
  • 軽症例から重症例まで幅広い。重症では急性呼吸促迫症候群(ARDS)を来たす。
  • 下痢や嘔吐などの消化器症状も生じ、多臓器不全や敗血症ショックを伴う場合もある。
  • 高齢者や糖尿病、腎不全などの基礎疾患が有る人は重症化しやすい。

 

【感染が疑われる患者の要件】

患者が次のア,イ又はウに該当し,かつ、他の感染症又は他の病因によることが明らかでない場合,中東呼吸器症候群への感染が疑われるので,中東呼吸器症候群を鑑別診断に入れる。

ただし,必ずしも次の要件に限定されるものではない。

ア)38℃以上の発熱及び咳を伴う急性呼吸器症状を呈し,臨床的又は放射線学的に肺炎、,ARDSなどの実質性肺病変が疑われる者であって,発症前14日以内に対象地域(※)に渡航又は居住していたもの

イ)発熱を伴う急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって,発症前14日以内に対象地域(※)において,医療機関を受診若しくは訪問したもの,中東呼吸器症候群であることが確定した者との接触歴があるもの又はヒトコブラクダとの濃厚接触歴があるもの

対象地域:アラビア半島又はその周辺諸国

ウ)発熱又は急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって,発症前14日以内に,対象地域か否かを問わず,中東呼吸器症候群が疑われる患者を診察,看護若しくは介護していたもの,中東呼吸器症候群が疑われる患者と同居(当該患者が入院する病室又は病棟に滞在した場合も含む。)していたもの又は中東呼吸器症候群が疑われる患者の気道分泌液若しくは体液等の汚染物質に直接触れたもの

 

MERSの疑いが有る場合は
  • 医療機関もしくは本人からの健康相談が有る場合は、最寄りの保健所にすぐに連絡。
  • 保健所は患者を感染症指定医療機関(特定、第一種または第二種)に搬送し、都道府県へ報告する。

 

www.mhlw.go.jp

www.forth.go.jp

 

国立感染症研究所中東呼吸器症候群(MERS)

 

 

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