MHC(主要組織適合遺伝子複合体)について
MHCとは
- 細胞膜表面に存在する糖タンパク質。自己細胞と非自己細胞を認識するための抗原。
- 全ての高等脊椎動物に存在する(人間ではHLA抗原、マウスではH-2抗原)。
- 人間のHLA遺伝子群は、第6染色体上に存在している事から、組織適合遺伝子複合体と呼ばれる。
- 人間のMHC抗原はクラスⅠとクラスⅡに分けられる。
MHCクラスⅠ
- 赤血球以外の全ての細胞に発現している。
- ウイルス感染細胞、腫瘍細胞、移植細胞などが主な標的抗原となる。
- 細胞内感染した微生物由来のペプチドを結合して細胞表面に出て行く事で、CD8キラーT細胞に微生物感染が起こったことを知らせる。
- キラーT細胞はCD8というクラスⅠと結合する分子を有している。
- キラーT細胞は、抗原認識後に細胞傷害因子を放出し、ウイルス感染細胞や腫瘍細胞などを破壊する。
MHCクラスⅡ
- 限られた細胞(マクロファージ、単球、B細胞など)に発現している。
- 細胞外の異物を取り込んで分解し、異物のペプチドをクラスⅡ抗原に結合させて細胞表面に提示する。
- ヘルパーT細胞はクラスⅡと結合するCD4という分子を持っている。
- ヘルパーT細胞はTh1細胞とTh2細胞があり、T細胞の分化・増殖を促進させ、インターロイキンを産生させ免疫反応を高める作用がある。
Th1細胞
- 活性化後、インターフェロンγ(IFN-γ)、インターロイキン2(IL-2)を産生。
- キラーT細胞やマクロファージを活性化する。
- 細胞性免疫反応を誘導する。
Th2細胞
- IL-4、IL-5、IL-10等を産生。
- B細胞を活性化させて抗体を産生する。
- 体液性免疫に関与する。
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