くすりの木

勉強会の内容や、日々の業務で必要な知識を、健忘録としてこのブログに書いていきます。不定期更新です。

粉瘤治療記録~手術中の会話が面白かった~

初めて粉瘤が出来まして、治療をしたのでまとめておこうと思います。

※粉瘤は皮膚の下にある袋状の脂肪のかたまり(もしくは表皮の袋)です。

 粉瘤腫 - Wikipedia

 

 

数ヶ月前に、左肩にポコっとしたものが出来まして。

脂肪かなとは思ったのですが、痛くないので放置しておりました。

(以前腕に似たような膨らみが出来た時は、自然消滅した)

 

そうしましたら、赤く腫れてしまいまして。

痛くて寝る時も患部がある方を下に出来ないくらいでした。

 

 

で、形成外科を探して行ってきたのですが、

先生「膿が溜まっているのでまずは切開しましょう。その後、脂肪の袋を取って、綺麗に縫い合わせます。傷口は3センチくらいになります。」

ということで、まずは切開することに。

 

切開初めてだけど、肩の小さな傷だから大丈夫かな。。。と思いつつ、処置室へ。

 

うつ伏せになって、先生に局所麻酔を打ってもらった後、あまり時間をおかずにすぐに切開になりました。

時間おかなくても、ちゃんと麻酔は効いていて、全然痛くは無かったのですが・・・

 

肉を切られる感触が伝わってきて辛かったです・・・(T_T)

しかも、途中で先生が「ハサミちょうだい」と!!

こっちは「ハサミは良く切れますよね!でもハサミですか!!ヒイイ~!」と心の中で叫びながら、じっと耐えました・・・。

ちょっと気持ち悪くなりつつも、無事に排膿終了。オエー。

 

傷口は開放したまま(後で袋を摘出するので)帰宅。

 

 

さすがに傷開放なので、ちょっと痛かったです。重い肩こりみたいな感じ。

2時間くらい経つと、更に痛みが増してきたので、急いで処方された鎮痛剤を飲みました。

 

その後傷の状態がよくなって、完全に塞がれた後で袋摘出になりました。

最初は30分くらいかかると言われたのですが、15分くらいで終了。

局所麻酔は4本(粉瘤の周りにぐるっと3本打って、時間を置いてから更に追加でもう1本)打ちました。

 

今回も痛くは無かったのですが、やっぱり切られるのは慣れないですね(;´∀`)

 

辛いなあ~と思ってたら、なんだか面白い会話を先生たちがしておりまして。

 

先生「今日お祭りやってるね。僕、屋台の焼きそば好きなんだよね~。」

看護師さん「学生の時に屋台のバイトしてたんですけど、トイレの水使ってましたよ。」

先生&私「・・・エエッ∑(゚д゚lll)?!」

 

 

処置室が重苦しい空気に包まれた瞬間でございました。

 

そして4針縫って、終了。

 

最後、先生が

先生「・・・それを聞いちゃうと、もう食べられないな・・・(´・ω・`)」

と寂しそうに言ってました。まぁそうですよね(笑)

 

 

最後、肩に入っていた袋を見せてもらったんですが、

まさに脂肪の袋!という感じ!!!

大きさは小指の先くらいです。

 

とにかく無事に治療が終わってホッと一安心です。

今は、傷を目立ちにくくするためにテープ療法をしています。

(テープ療法については、また後で詳しく書こうかと思います。)

さすが形成、傷跡にこだわるのがステキ!!

 

まとめ。

  • 粉瘤は袋まで取らないと再発する。
  • 袋摘出よりも排膿切開の方が痛い。
  • 腫れる前に病院へ!

 

長い文になりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました☆

 

▼チラ見(ウチの猫です)。

 

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サイエンスZERO「登場!がん治療を変える新薬ニボルマブ~免疫のブレーキを外せ~」まとめ。

今までの免疫療法の問題点

 今までの免疫療法は、T細胞の数を増やしたり、力を強めることでがん細胞に対する攻撃力を高めていたが、ほとんどの人で効果が無かった。

これは、がん細胞がT細胞のブレーキボタン(PD-1)を押していたことが原因。

免疫を高めても、がん細胞によってその力は弱められていた。

 

免疫check point阻害剤とは?

免疫check pointとは、T細胞が自分自身を攻撃しないように「攻撃の終了」を命令するブレーキボタンのこと。

このブレーキボタンをがん細胞が押して免疫を弱めていた。

がん細胞からT細胞のブレーキボタン(PD-1)を守ることにより、免疫力が弱まることなくがん細胞を攻撃することが出来る。

この作用を持つ薬は製剤化され、臨床で使用されている。日本人が発明した成分で、一般名は「ニボルマブ」という。

 

ニボルマブの効果と副作用について

一般的ながん治療薬にある「吐き気、脱毛」の副作用は無い。

しかし、間質性肺炎甲状腺異常、腸炎などの自己免疫疾患は発現する可能性がある。

 単独で沢山の種類のがんに効果があることが実証され始めている(※今後も適応が拡大する可能性があります)。

メラノーマ(悪性黒色腫)の患者に投与したところ、2割~3割の患者の癌が縮小~消失した(※メラノーマの予後は非常に悪く、2~3割でも延命が出来たというのは物凄い事です)。

1回効くと、数年単位で長く効くのが特徴。

がん細胞が変異しても、T細胞の攻撃増強効果が持続している。

 

どんな人に良く効くのか?

PDL-1は、がん細胞が持っている「PD-1と結合できる部分」。

患者によってPD-L1の量が異なる。

PDL-1が多い人の方が生存率が低い(T細胞にブレーキを沢山かけてしまうので)

 しかし、PDL-1が多い方がニボルマブが効く、というわけではなさそう。

患者によって、PDL-1の発現が変化している可能性が??

 どんな人に良く効くのかは、まだ不明。

今は、ニボルマブと様々な抗癌剤を組み合わせて効果を試している。

 

何故効かない人がいる?

PD-1以外のブレーキが押されている可能性がある。

T細胞が疲れきっていると、効果が得られない可能性がある(アクセルが壊れた車のアクセルボタンを押しても動かない)。

 

まとめ

ニボルマブは免疫のブレーキを外すことでがんを治療する薬。

・免疫のブレーキを外すことは、アクセルを押す事よりも重要。

・T細胞には、PD-1以外のブレーキや、アクセルボタンが存在する可能性あり。

・免疫のアクセルを踏みつつ、ブレーキを外す方法の研究が求められる。

・今後、薬でガンを本当に克服できる時代が来るのかもしれない。

 

 

 

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アレルギー診断テストについて。

in vitroの試験

 

RAST (radioallergosorbent test)

  • アレルゲンを結合させたペーパーディスクに、血清試料及び125I標識抗ヒトIgE血清を加えて、アレルゲン結合IgE抗体と複合体を形成させる。放射活性よりIgE抗体濃度を0~4に分類する。
  • アレルゲンディスクには、イネ科植物花粉、雑草花粉、樹木花粉、動物上皮、ダニ類、室内塵、真菌類、食物などに対するものがある。
  • 判定(0陰性、1境界線、2陽性、3強陽性、4最強陽性)

 

 

MAST (multiple antigen simultaneous test)

  • 一般的なアレルゲンのスクリーニングに開発された方法。
  • アレルゲンを結合させた専門容器に、血清及び標識抗体を加え反応後、基質溶液を加えて発光させる。
  • 発光強度より、アレルゲンの有無を判定する。
  • RAST法とは異なり、アイソトープを必要とせず簡便である。一度に多くの検体を測定できるという利点もある。
  • 判定(0陰性、1/0偽陽性、1以上陽性)

 

リンパ球芽球化反応試験(D-LST drug lymphocyte stimulation test)

  • 遅延型アレルギーが疑われる場合に用いる。
  • 全血から採取したリンパ球をコントロール及び被偽薬下にて培養し比較する。
  • 細胞培養反応という不安定な検査のため、感度はあまり高いとはいえない。

 

in vivoの試験

 

パッチテスト(貼布試験)

  • 安全性が高く、試薬の調整が容易だが、陽性率が低い。
  • 通常は10%ワセリン試薬を用いるが、オリーブ油、精製水を基材として、もしくは直接調布で用いることもある。
  • 判定は貼付後48時間と72時間に行う。

 

プリックテスト(穿刺試験)

  • 皮内テストに比べると安全性は高いが、感度は劣る。スクラッチテストよりも痛みは少ない。
  • 皮膚消毒後、試薬を1滴滴下し、その部位の皮膚に皮内注射針を刺し、軽く針を持ち上げて試薬を挿入、15分後に判定する。
  • 試薬は通常、注射剤の製法により調整した1%水溶液、生食液を用いる。
  • 抗ヒスタミン剤ステロイド剤は陽性反応をマスクする。
  • 判定(膨疹平均5mm以上、発赤平均15mm以上で陽性。)

 

スクラッチテスト

  • 試薬、判定はプリックテストに準ずる。
  • 消毒した皮膚に注射針で軽くひっかき、試薬を1滴滴下する。
  • 判定は15分後に行う。

 

皮内テスト

  • 感度はプリックテスト・スクラッチテストよりも良い。
  • まれにアナフィラキシー・ショックを誘発することがある。
  • 試薬は通常、注射剤の製法により調整した0.1%生食液を用いる。
  • 消毒した皮膚に試薬を0.02mL皮内注射する。判定は15分後。
  • 膨疹平均9mm以上、発赤平均20mm以上を陽性とする。

 

うがい試験

  • 全身性薬疹の誘発試験の代用に用いられる。
  • 誤飲に注意すること。全身の発赤、掻痒を指標とする。

 

フォトパッチテスト(光線貼付試験)

  • 光線過敏症薬疹の判定に用いる。
  • UVA、UVBを照射し、最小紅斑量を測定する。
  • パッチテスト2セットを貼付し、1セットは48時間後UVA、UVBを照射、72時間後に判定する。

 

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P-drugとP-treatmentについて(メモ)

P-drug(personal drug)とは

  • オランダのGroningen大学医学部における薬物療法(臨床薬理学)の教育プログラムから始まった。
  • WHOのAction Programme on Essential Drugの一貫として提唱されている概念。
  • Evidenceに基いて、自家薬籠中の薬を選び、それを各患者に対して正しく使用する考え方。
  • 講義・学生間のロールプレイング等による問題解決型の演習により、短期間で問題解決型の臨床薬理学の能力が有意に向上した。

  • 治療のポイントは「系統的な方法に基づくこと」「病理生理学的理解が必要」である。

 

※※※自家薬籠中の薬とは※※※

 医師が自分の専門科内において自由自在に使いこなすことが出来る薬剤のこと。

 つまり、

  • 処方医が選択した薬物であること。
  • 有効性及び安全性が確率していて(evidence based)入手可能な薬物であること。
  • 薬物選択の課程が、適正な薬物療法を学ぶ手段と一致していること。

 

P-treatment(Personal Treatment)とは

 

P-drug選択の6 STEPとは

  1. 診断を定義
  2. 治療目標の特定
  3. 薬物群の目録作成
  4. 有効な薬物群の選択
  5. P-drugを選択
  6. P-drugリストを作成

(解説)

1:診断の定義

  • 頻度の高い標準的な患者の症状に対するもの

2:治療目標の特定

  • 目標が明確になればなるほど、後の作業がしやすくなる

3:薬物群の目録作成

  • 有効性のある薬物群をリストアップ(ソースは何でも良い)

4:有効な薬物群の選択

  • 有効性(Efficacy:薬力学、薬物動態学)
  • 安全性(Safety:頻回に起こる副作用、重大な副作用)
  • 適合性(Suitability:禁忌、妊婦、小児、高齢者でもOKか)
  • 薬の費用(Cost)
  • これらの判断基準に従って、有効な薬物群を選択する。

5:P-drugを選択

  • 有効な薬物群の中から、活性物質、剤形、選択用量、治療期間、指示などを決定する。

 

治療の6Stepとは

1:患者の問題の定義目の前の患者の問題は何か?

  • 隠れた問題を見落としていないか?

2:治療目標の特定

  • 患者と共に治療のゴールを決める

3:患者にとってP-treatmentが適切か?                    

  • 活性物質と剤形は適正か?
  • 用量計画は適正か?
  • 治療持続期間は適正か?
  • 必要に応じて別のP-drugに変更へ

4:治療を開始・処方箋を書く

5:アドバイス(情報、指示、注意)を与える

  • 薬物の効果や副作用について
  • 問題が起こった時の対処法について
  • 保存方法について、生活の注意点、次回予約について等
  • 全て患者は理解できているか?

6:治療をモニターする

  • 治療が有効かどうかを判断する

 

 

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乳がんについて(勉強会メモ)

乳がんとは

  • 進行遅い。1センチになるのに7~8年かかる。長い潜伏期間あり。
  • 昔の治療は、筋を含めて一塊に乳房を切り取る外科手術だったが、近年では温存療法が主流。外科の手術は縮小傾向にある。
  • 乳がんの70%はエストロゲンで大きくなる。

 

治療について

  • タモキシフェン:リンパの転移が無くても、5年投与で再発を半分に減らす。
  • 閉経後も副腎からエストロゲンが出るので、薬剤は必要。
  • HER2過剰発現が無い場合は、ホルモン療法と化学療法の組み合わせ。
  • HER2過剰発現が有る場合は、①ハーセプチン(トラスツズマブ)で外のスイッチをOFFに②ラバチニブ(タイケルブ)で細胞内の信号をブロックする。
  • エストロゲン受容体そのものを減らすSERDアロマターゼ阻害薬あり
  • 治療は、ホルモン受容体のプラスマイナスやHER2のプラスマイナスと遺伝子解析で、再発率を予想する。
  • AtLAS試験:タモキシフェン5年投与後に更に10年、もしくは5年投与した結果、10~15年で再発率の差が出てくる事がわかった。

 

質問と回答

※全てタモキシフェン投与についての質問

Q:タモキシフェン投与中のホットフラッシュへの対応は?

A:血中のエストロゲン低下により、体温調整ができなくなる為にホットフラッシュが発生する。ホットフラッシュは、ホルモン両方の約半数で出てくるが、だんだん良くはなってくる。

治療は、漢方、ガバペン、抗鬱剤、カタプレスなど。

 

Q:月経への影響は?

A:エストロゲンを抑えているわけではないので、ほとんど影響は無い。もし無月経になっても、投与を中止すれば元に戻る。

 

Q:妊娠への影響は?

A:催奇形成があるので妊娠は避けること。タモキシフェン投与中止後も2ヶ月は避けるように(一ヶ月半経てば血中濃度がほぼ0になる為)

 術後二年間は妊娠しないように。

 

Q:骨粗しょう症への影響は?

A:アロマターゼと異なり、タモキシフェンは骨量を保つ方向に向かう。第一選択はタモキシフェンでOK。

アロマターゼからタモキシフェンにするのも選択の1つ。

 

Q:タモキシフェンとLHRHアゴニストの併用について。

A:40歳未満の閉経前の女性であれば、臨床試験上では有効であった。

 

Q:タモキシフェンからアロマターゼへの切り替えの基準は?

A:タモキシフェンを2、3年投与後にアロマターゼへ切り替えると、タモキシフェンのみ5年投与した時よりも予防効果は上昇した。

5年目以降に再発しやすい人には有効(遺伝子検査で判断?)。

 

Q:ホルモン療法が長くなることによる副作用への影響は?

A:5年~10年の投与では、子宮体がんの発症への影響はあまりない。

視神経の乳頭に変性が起きるため、視覚障害が起きる可能性がある。

中止しても元に戻りにくい。異常が出たら速やかに眼科へ紹介すること。

 

Q:OPE後10年経ったら、どのように検査すべきか?

A:年に1回のマンモグラフィで検査をすること。エコーはしこりが有る時に精査として行う。血液検査は定期健診としてやるのはあまり意味が無い。

 

Q:子宮筋腫がある人へのタモキシフェン投与は?

A:タモキシフェンを使うと、筋腫が大きくなることがあるので、LHRHアゴニストが第一選択になる。

 

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咽頭がん・喉頭がんについて。

 咽頭(いんとう)がん・喉頭(こうとう)がんとは

  • 日本では年間約800万人が癌になっているが、そのうちの1~2万人が喉の癌になる。
  • 男性のリスクが高く(女性の10倍)、50代~60代に多い。
  • 癌のリスクファクターは、タバコとアルコール。
  • 咽頭がんの約90%の人が喫煙者。
  • アルコールは、大量飲酒、アルコール度数が高いもののリスクが高くなる。また、アルコールで顔が赤くなりやすい人は特に注意が必要。

 

 

咽頭喉頭の違いについて

  • 咽頭とは、鼻から口、食道にかけての部分で、上・中・下に分かれる。
  • 喉頭は、声帯、気管があり、60%~70%は声帯に癌が出来る。

 

癌の初期症状について

  • 声のかすれ(二週間以上続く声のかすれには注意!初期でも声のかすれが発生するので、早期発見に繋がる。)
  • 飲み込みにくい、喉の違和感(あまり気にならない人が多く、見落としがち。二週間以上症状が続く場合は注意)
  • 首のしこり(喉の癌が転移すると、首にしこりができる)
  • 耳閉感、鼻詰まり(上咽頭癌の場合)
  • 扁桃の腫れ(中咽頭癌の場合)

 

診断方法

 

治療方法

 あまり進行していない喉頭・下咽頭がん

  • 抗癌剤放射線治療。
  • 喉頭温存手術(声出せる)。大学病院などでは、喉を切らずに経口的手術を行っている所もある。経口であれば患者の負担も軽く、術後の回復も早い。

 進行している癌の場合

  • 咽頭を声帯も含め全摘
  • 声を失うので、別の発生方法を練習する。

 

人口咽頭振動する小型の機械を喉に当てて、口を動かすことで発声する。短時間で習得可能。

 

食道発声食道を震わせて発声する方法。食道や胃に空気を取り込み、空気を恥出しながら食道の粘膜を震わせて声帯の代わりにする方法。

器具は必要ないが、習得に時間がかかる。独学では難しいので、発声教室の指導を受けながら習得する。

 

 

 

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【考察】ザジテンとクラリチンの共通点は?

ザジテンとクラリチンの共通点をご存知でしょうか。

まずは、それぞれの薬の構造式と特徴的な禁忌・副作用について見てみましょう。

 

ザジテンケトチフェンフマル酸塩

 

ザジテンは、てんかん又はその既往歴のある患者には禁忌です。

(痙攣閾値を低下させることがあるため)

 

 構造式は以下の通りです。

 化学名4-(1-Methylpiperidin-4-ylidene)-4H-benzo[4,5]cyclohepta[1,2-b]thiophen-10(9H)-one monofumarate

 分子式C19H19NOS・C4H4O4

 分子量425.50

 

 

クラリチン(ロラタジン)

クラリチンは、てんかんの副作用報告があります(頻度不明)。

よって、「てんかんの既往のある患者で本剤投与後に発作があらわれたとの報告があるので使用に際しては十分な問診を行うこと。」と添付文書に記載されています。

 

クラリチンの構造式は以下の通りです。

化学名Ethyl 4-(8-chloro-5,6-dihydro-11H-benzo[5,6]cyclohepta[1,2-b]pyridin-11-ylidene)-1-piperidinecarboxylate

分子式C22H23ClN2O2

分子量382.88

 

 

このように、ザジテンは「てんかん又は既往歴のある患者」には禁忌。

クラリチンも、頻度不明ではありますが「てんかん発作」の副作用報告があります。

 

では、この2つの薬剤は何故両方ともてんかんに注意しなければならないのでしょうか?

 

構造式を比較してみると、似た骨格が有ることに気がつきました。

 

赤い丸で囲った所に注目してみると、非常に似ている事がわかります。

 

ザジテン

 

クラリチン

 

他の抗アレルギー剤には、このような骨格は見られません。

メーカーに確認したわけではありませんが、この骨格を持つことで、ザジテンもクラリチンてんかんに対する影響が発生するのではないでしょうか。

 

今後、新しい抗アレルギー剤が世に出てきた場合、ザジテンやクラリチンと似た骨格を持っている場合は、てんかん患者に対する投与は注意した方が良いと思いました。

 

 

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