中東呼吸器症候群(MERS)について
中東呼吸器症候群(MERS)とは
- 2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症。
- コロナウイルスが原因で感染する(2003年に流行ったSARSもコロナウイルス)。
- 2015年6月までの状況では、感染報告地域は計25カ国。致死率38%。
感染経路
- ヒトコブラクダがMERSコロナウイルスを保有しており,ヒトコブラクダとの濃厚接触が感染リスクであると考えられている。
- 咳やくしゃみなどの飛沫感染と、接触感染が疑われる。
- 家族間,感染対策が不十分な医療機関などにおけるヒトーヒト感染も報告されているが限定的で、持続的なヒトーヒト感染ではない。
臨床所見
- 発熱、咳嗽(がいそう)から急速に肺炎を発症する。
- 軽症例から重症例まで幅広い。重症では急性呼吸促迫症候群(ARDS)を来たす。
- 下痢や嘔吐などの消化器症状も生じ、多臓器不全や敗血症ショックを伴う場合もある。
- 高齢者や糖尿病、腎不全などの基礎疾患が有る人は重症化しやすい。
【感染が疑われる患者の要件】
患者が次のア,イ又はウに該当し,かつ、他の感染症又は他の病因によることが明らかでない場合,中東呼吸器症候群への感染が疑われるので,中東呼吸器症候群を鑑別診断に入れる。
ただし,必ずしも次の要件に限定されるものではない。
ア)38℃以上の発熱及び咳を伴う急性呼吸器症状を呈し,臨床的又は放射線学的に肺炎、,ARDSなどの実質性肺病変が疑われる者であって,発症前14日以内に対象地域(※)に渡航又は居住していたもの
イ)発熱を伴う急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって,発症前14日以内に対象地域(※)において,医療機関を受診若しくは訪問したもの,中東呼吸器症候群であることが確定した者との接触歴があるもの又はヒトコブラクダとの濃厚接触歴があるもの
対象地域:アラビア半島又はその周辺諸国
ウ)発熱又は急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって,発症前14日以内に,対象地域か否かを問わず,中東呼吸器症候群が疑われる患者を診察,看護若しくは介護していたもの,中東呼吸器症候群が疑われる患者と同居(当該患者が入院する病室又は病棟に滞在した場合も含む。)していたもの又は中東呼吸器症候群が疑われる患者の気道分泌液若しくは体液等の汚染物質に直接触れたもの
MERSの疑いが有る場合は
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小児の接触性皮膚炎
接触性皮膚炎の原因
灯油
火傷のような皮膚炎になる。灯油が付いた衣服との接触で生じる
植物
草によるかぶれでは、線状に並んだ小水疱型になる。
漆によるかぶれが起きた事がある子は、銀杏、マンゴーにも注意すること。
桜草、菊、アロエが原因で皮膚炎を起こす事もある。
接着剤
ボンドなどを使用した後、2~3日以内に手や顔に紅斑が生じる
ゴム
手袋やサンダルなどに使われているゴムにより皮膚炎を起こす(ラテックスアレルギー)
薬品
ヒビテン、軟膏で皮膚炎を起こす事がある。
金属
イヤリング、ネックレス、歯科金属など、日常で使うものによって皮膚炎を起こすことがある。
毛虫皮膚炎
接触性皮膚炎の分類
一次刺激性接触性皮膚炎(非アレルギー型)
- 急性刺激性接触性皮膚炎:強酸や強塩基などの強い刺激物が1回付着して起こる。
- 慢性刺激性接触性皮膚炎:弱い刺激物が何度も付着し、徐々に発症する。
アレルギー性接触性皮膚炎
- 湿疹型:接触性皮膚炎の大部分を占める。特定物質に触れることで必ず発症する。
- 苔癬(たいせん)型:香料、植物、服の線量などによる色素性接触性皮膚炎。
光接触性皮膚炎
- 発症に光照射が必要。接触アレルゲンが、光感受性物質であるときに発症。
接触性蕁麻疹
- 化学物質が皮膚に接触してから30分以内に発症する蕁麻疹。
接触性皮膚炎の治療
原因となった物質を推定し、それを遠ざける。
小水疱、びらん局面には軟膏(Ⅱ群~Ⅲ群のステロイド)を、その他にはクリームを用いる。
かゆみ止めとして抗ヒスタミン薬を服用する。
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反復性中耳炎のリスクファクター
反復性中耳炎とは
- 「過去6ヶ月以内に3回以上、12ヶ月以内に4回以上の急性中耳炎罹患」と定義される。
- 何らかのリスクファクターが、短期間に中耳炎を反復する原因となっていることが多い。
主なリスクファクター
- 低年齢
- 集団保育
- 母乳栄養期間
- 起炎菌の耐性化
- 治療
低年齢について
- 一般に、生後6ヶ月までは母親由来のグロブリンの存在により中耳炎を反復することは少ない。
- 生後6ヶ月から2歳までは臨床的に急性中耳炎の難治例が集中する。これは母体から移行した免疫が徐々に消失し、かつ自己免疫機能の発達が未熟であると考えられる。
集団保育について
- 低年齢保育の割合が増えるに従い、中耳炎起炎菌の耐性株を保菌する乳幼児の割合が増えてきた。
- 集団保育は、中耳炎の重要なリスクファクターではあるが、難治性感染症になるのは一部。2歳以上であれば、上咽頭に薬剤耐性菌が存在していても、病的意義はそれほど高くない。
- しかし、免疫の未熟な0歳から2歳未満の低年齢保育の場合には充分な注意が必要となる。
母乳栄養期間について
- 中耳炎の既往が少ない小児では、有意に母乳栄養期間が長い。
- 母乳に含まれる分泌型IgAが細菌感染に対して防御的に働いている。
起炎菌の耐性化について
- 薬剤耐性菌が増加し、抗菌薬に抵抗する難治例が増加している。
- 集団保育による上気道感染機会の増加と、副鼻腔の不完全な除菌が、反復性中耳炎を促進させる。
治療について
- 不適切な抗菌薬の選択などが中耳炎の難治化が起こる。
- 保護者による勝手な薬の中断により、症状が難治化する。特に低年齢児における薬剤耐性菌の増加が問題視されており、適正な抗菌薬を必要な期間しっかり飲ませる事が大事である。
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ホルモン受容体と光受容体
ホルモン受容体
細胞膜受容体を介するホルモン
- ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、カテコールアミンを構成成分とするホルモン
- 機能の発現は受容体に結合した後に活性化されるセカンドメッセンジャー(cAMP、cGMP、イノシトール-1,4,5-三リン酸など)により行われる。
細胞内受容体を介するホルモン
光受容体
外からの光エネルギーを吸収して他のエネルギーに変換し、一定の機能を果たす物質のこと。
主なものはロドプシン、クロロフィル、フィトクロムなどがある。
ロドプシン
- 光感受性の視色素を含んでいる為、視紅とも呼ばれる。明暗の識別に関与しており、眼の網膜中の桿体(かんたい)と呼ばれる細胞の外節部分に存在する。
- ロドプシンは光に当たると退色して、透明なタンパク質オプシンとビタミンA誘導体のレチナールに分解する。
- レチナールは更にメタロドプシンⅡとなり、GTP結合タンパク質の1つであるトランスデューシンと結合し、cGMP分解酵素を活性化し、cGMP濃度を減少させ、カチオンチャネルが閉鎖し、膜電位の変化が生じる。結果、視細胞が興奮する。
- 食物中のビタミンAはロドプシン合成に利用されているため、ビタミンAの欠乏は夜盲症を引き起こす。
クロロフィル
- 葉緑素。植物、藻類、細菌に存在する緑色のポルフィリン系色素で光合成に重要な物質。
- 光エネルギーにより励起されると、電子受容体に電子をわらし、自信は活性化されたクロロフィルとなる。活性化されたクロロフィルは水分子を分解して酸素の放出と糖質の材料となる水素を供給する。水素は葉緑体でNADPHの合成に使われ、暗反応における水素源となってCO2の還元に用いられる。
フィトクロム
- 全ての緑色植物の細胞に存在する。
- 光を受けると、可逆的に吸収スペクトルを変えて応答し、発生、文化、遺伝子発現、膜機能など生体諸機能の幅広い調節作用を営む色素タンパクの1つ。
- 葉にあるフィトクロムは光を受けることで花成ホルモンの放出を促すことから、開花の光周性に関与していると考えられている。
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「侮れない耳鳴り」メモ:~チョイス:病気になった時~
耳鳴りは3つに分類される。
①加齢性難聴と突発性難聴
☆加齢性難聴
一番多い耳鳴り
軽度の難聴でも引き起こされる。
40代から発症する人もいる
聴力検査で、内耳の衰えを調べる。耳の中の血流が悪いのが原因。
動脈硬化と加齢性難聴は関係していると言われている。
耳鳴りが急に起きて、数日続いたら耳鼻科へ!
☆突発性難聴
若い人もなる。
疲労、ストレス、寝不足が耳の中の血流を悪くさせてしまう。もしくはウイルス感染も原因となる。
大きな音を聞いたとしても関係ない。(しばらくすると治る「音響外傷」)
再発はしない。
②聴神経腫瘍
MRIを撮って確認する。
聴神経を腫瘍が圧迫することで、刺激が脳に伝わらなくなる。
しかし、腫瘍を取るのはリスクが大きい。聴力が駄目になったり、顔面神経が麻痺することもある。非常に難しい手術。
治療の目的は、聴力を残すこと。
経過観察か、手術か、放射線治療になる。
③ストレス
身体と心のストレスが解消できず、脳が興奮して音のボリュームを上げてしまう。
症状を改善させるには、ストレスの悪循環の流れを、どこかで断ち切る事が重要。
何か好きな事(趣味)などに没頭し、ストレスの無い時間を作ることが治療となる。
ストレス⇒脳の異常興奮、耳鳴り⇒不眠、体調不良⇒ストレス・・・を繰り返す。
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低用量ピルの作用・分類・副作用について
【低用量ピルの作用】
- 排卵の抑制
- 子宮内膜抑制
- 頚管粘液の粘調
【低用量ピルの分類】
- 黄体ホルモンと卵胞ホルモンを併用した方が効果が高い。
- 高用量は卵胞ホルモンが50μg以上。中用量は50μg。低用量は50μg未満。超低用量ピルは30μg未満。
- 含まれる黄体ホルモンの種類で、第1~3世代に分類される。
- それぞれの世代によって、注意すべき副作用が異なる。
◎第1世代:ノルエチステロン
◎第2世代:レボノルゲストレル
◎第3世代:デソゲストレル、ゲストデン
(男性化の副作用は少ないが、血栓リスクが上昇した。)
【エストロゲン(卵胞ホルモン)について】
【プロゲストロン(黄体ホルモン)について】
- 排卵を抑制する作用があるので、ピルの主成分と言える。
- 含有量に差があっても、効果や副作用の差は殆ど無い。
- アンドロゲンによる副作用(ニキビ、多毛、肥満、男性化)には注意が必要。第2世代が一番多い。
【低用量ピルの副作用について】
- 血栓症には充分に注意が必要。
- 吐き気などの副作用は、1~3ヶ月内服していると軽くなることがある。
- 少量出血は、2シート目から起こりにくくなる。
- タバコを吸わなければ、45歳~50歳まで内服可能。
- ピル服用中止後3ヶ月の自然排卵率は80~90%
- 内服時間は12時間以内ならずらしてもOK。ただし、遅くすると不正出血が起きることがあるので、早めにずらすほうが良い。
- テトラサイクリン系・ペニシリン系抗生剤、テオフィリン、副腎皮質ホルモンとの併用には注意が必要。
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外リンパ瘻について
外リンパ瘻とは
- 耳小骨からの振動を音として感じる働きのある「内耳窓」が破れ、内耳の中にある「外リンパ液」が中耳に漏れ出す病気。
- 内耳窓が破れる時、「ポン!」と音がすることがある。
- 内耳窓は、中耳と内耳を仕切る膜で、前庭窓(卵円窓)と蝸牛窓(正円窓)の2つの窓を指す。
外リンパ瘻の症状
- めまい
- 難聴
- 水がザーっと流れるような耳鳴り
- 症状が悪化したり、改善したりを繰り返すこともある
外リンパ瘻の原因
- 鼻を強くかむ
- くしゃみや咳
- 飛行機に乗る
- ダイビング
- 重い物を持ち上げる
- 交通事故
- 転倒
- 耳掃除
外リンパ瘻の診断
- 以前は診断が非常に難しかったが、今は外リンパ液に特異的なタンパク質を調べることで簡単に判断できるようになった。
- 外リンパ液には、「CTP(Cochilin-tomoprotain)」タンパクが特異的に存在している。
- 鼓膜を切開して内耳に生理食塩水を注入し、回収した液体の中にCTPタンパクがあれば、外リンパ液が漏れていることが確定できる。
- 回収する液は0.1mLあれば判別可能。
外リンパ瘻の治療
- 基本的には、安静にしていれば1~2週間で内耳窓が再生する。
- しばらくは鼻をかんだり、排便時にいきんだりしないように注意が必要。
- もしも症状が改善せず、悪化する場合は手術の適応となる。
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