小児の誤飲について~タバコ~
【誤飲の現状】
全国の小児の誤飲の報告件数をみると、過去何年もの間、1位がタバコ、2位が医薬品を占めている。
オモチャやボタン電池の誤飲の報告も多い。
【タバコ】
通常のタバコは感想しており、口のなかに張り付いて簡単には飲み込めない為、重篤な症状にはなりにくい。
一方、空き缶などに入れたタバコ(水に浸した状態)の浸出液は誤飲しやすく、非常に危険である。
《ニコチンの毒性》
通常のタバコ1本には、ニコチン16~24mgが含まれている。
ニコチンの成人の致死量は40~60mg、幼児の致死量は10~20mg。
ニコチンは口腔、胃腸粘膜、呼吸器、皮膚から吸収され、約24時間で排泄される。
ニコチンは塩基性なので、胃酸の中ではほとんど吸収されない。
よって、タバコ誤飲の場合は、無理に吐かせようとして大量の水を飲ませたり(腸管移動が促進する)、牛乳(制酸剤となる)を飲ませてはいけない。
《保護者への誤飲時の対応について》
浸出液を誤飲してしまった場合は、すぐに受診させる。その場合は、15分以内に何らかの症状が見られる。無理に吐かせようとしないこと。
乾いたタバコの場合、そのまま自宅で4時間ほど観察する。
顔色が悪い、脈が早い、吐く、などの症状が出た場合は受診させる。
タバコを誤飲しても、4時間以上何も症状がなければまず安心である。
24時間でニコチンが排泄されるので、一日経って異常がみられなければ問題ない。
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