熱性けいれんの予防について
《ジアゼパム予防投与の基準》
・単純型熱性痙攣で2回以下なら、予防投与の必要はない
・複合型熱性痙攣なら1~2回起こせば予防投与を開始する。
※以下の鑑別事項が1つでもあれば、複合型熱性けいれんとなる。
けいれんの持続が15分以上、けいれんが半身性、または焦点性、けいれん後の麻痺や意識混濁、1日に2回以上繰り返す、6ヶ月以下や6歳以上、脳障害の既往、てんかんの家族歴。
《予防投与の方法》
①元気がない、機嫌が悪い、食欲がない等の際に、必ず体温を測定する。
発熱を見落とさないように注意すること!
②体温が37.5度を超えたら、ジアゼパム座薬を挿入する。
③8時間以上たっても熱が続いているときは、同量の座薬をもう一度挿入する。
通常は2回で終了。
※解熱剤の座薬を使う時は、ジアゼパムの挿入後30分以上経ってから入れてください。同時に使うと、ジアゼパムの吸収が悪くなります。
※3回目の投与を行う場合もあります。2回目投与から16時間以上あけましょう。
(初回投与から24時間以上経ってから)
《副作用》
・鎮静、眠気、軽度のふらつきが現れることが多いが、時に興奮状態が現れることもある。
静注とは異なり、呼吸抑制などの重篤な副作用は無い。
《予防投与の期間》
通常2年間、または4~5歳までが目標。
《熱のないけいれん》
・てんかん
無熱時のくりかえすけいれん発作の場合はてんかんの可能性がある。専門医の受診を。
・泣き入りひきつけ
激しく泣いて呼吸を止めてしまうことにより、チアノーゼが出現して短時間の意識消失や、強直性けいれんをおこす。
・胃腸炎にともなる良性けいれん
ウイルス性胃腸炎の際に、脱水兆候が無いのに数分間のけいれんを起こす場合がある。
・ケトン性低血糖
痩せ型の児が、体調を崩して食欲が落ちたり、極端に長い睡眠をとったりすることがきっかけで低血糖を起こす。
輸液による糖の補給が必要。
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