甲状腺ホルモンについて
【甲状腺ホルモン】
◎トリヨードチロニン(T3)
◎チロキシン(T4)
- ペプチドでもステロイドでもない低分子物質で、アミノ酸であるフェニルアラニンから生合成される。分子内にヨウ素原子を持つ。
- TSH(甲状腺刺激ホルモン)により甲状腺から分泌される。
- 甲状腺ホルモンは、基礎代謝、発熱、発汗、自律神経調整など多数の機能を担っている。
- トリヨードチロニンはモノヨードチロシンとジヨードチロシンが縮合。分子内にヨウ素3分子。
- チロキシンはジヨードチロシン2分子が縮合。分子内にヨウ素4分子。
- 甲状腺から血中に分泌されるT3は20%であり、T4よりも活性が強い。残りの80%は甲状腺からT4の形で分泌され、抹消組織でより活性の強いT3に変換される。
- 極めて疎水的な性質を持ち、低分子であるためにタンパク結合しやすく、血中では遊離型は少ない。
- 結合するタンパクはTBG(チロキシン結合グロブリン)で、これも甲状腺から分泌される。
- 自律神経のバランスをとる意味でも、甲状腺機能は一生涯にわたって必要。甲状腺を摘出すると、T3、T4だけではなくTBGの合成も低下するので、遊離型T3、T4の増加で心悸亢進などの副作用が起きる。
- 甲状腺機能亢進症:バセドウ病(グレーブス病)
- 甲状腺機能低下症:橋本病(慢性甲状腺炎)、甲状腺摘出など。
【甲状腺ホルモンの生合成】
- チログロブリンのチロシン残基が甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)によりヨウ素化
- ヨウ素化されたチロシン残基がTPOによりチログロブリン上で縮合
- チログロブリンがろ胞上皮細胞に再吸収顆粒としてエンドサイトーシスで取り込まれる。
- 再吸収顆粒のチログロブリンが、リソソームのタンパク分解酵素により分解され、トリヨードチロニンやチロキシンが遊離する。
※甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)
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