P-drugとP-treatmentについて(メモ)
P-drug(personal drug)とは
- オランダのGroningen大学医学部における薬物療法(臨床薬理学)の教育プログラムから始まった。
- WHOのAction Programme on Essential Drugの一貫として提唱されている概念。
- Evidenceに基いて、自家薬籠中の薬を選び、それを各患者に対して正しく使用する考え方。
-
講義・学生間のロールプレイング等による問題解決型の演習により、短期間で問題解決型の臨床薬理学の能力が有意に向上した。
- 治療のポイントは「系統的な方法に基づくこと」「病理生理学的理解が必要」である。
※※※自家薬籠中の薬とは※※※
医師が自分の専門科内において自由自在に使いこなすことが出来る薬剤のこと。
つまり、
- 処方医が選択した薬物であること。
- 有効性及び安全性が確率していて(evidence based)入手可能な薬物であること。
- 薬物選択の課程が、適正な薬物療法を学ぶ手段と一致していること。
P-treatment(Personal Treatment)とは
P-drug選択の6 STEPとは
- 診断を定義
- 治療目標の特定
- 薬物群の目録作成
- 有効な薬物群の選択
- P-drugを選択
- P-drugリストを作成
(解説)
1:診断の定義
- 頻度の高い標準的な患者の症状に対するもの
2:治療目標の特定
- 目標が明確になればなるほど、後の作業がしやすくなる
3:薬物群の目録作成
- 有効性のある薬物群をリストアップ(ソースは何でも良い)
4:有効な薬物群の選択
- 有効性(Efficacy:薬力学、薬物動態学)
- 安全性(Safety:頻回に起こる副作用、重大な副作用)
- 適合性(Suitability:禁忌、妊婦、小児、高齢者でもOKか)
- 薬の費用(Cost)
- これらの判断基準に従って、有効な薬物群を選択する。
5:P-drugを選択
- 有効な薬物群の中から、活性物質、剤形、選択用量、治療期間、指示などを決定する。
治療の6Stepとは
1:患者の問題の定義目の前の患者の問題は何か?
- 隠れた問題を見落としていないか?
2:治療目標の特定
- 患者と共に治療のゴールを決める
3:患者にとってP-treatmentが適切か?
- 活性物質と剤形は適正か?
- 用量計画は適正か?
- 治療持続期間は適正か?
- 必要に応じて別のP-drugに変更へ
4:治療を開始・処方箋を書く
5:アドバイス(情報、指示、注意)を与える
- 薬物の効果や副作用について
- 問題が起こった時の対処法について
- 保存方法について、生活の注意点、次回予約について等
- 全て患者は理解できているか?
6:治療をモニターする
- 治療が有効かどうかを判断する
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