反復性中耳炎のリスクファクター
反復性中耳炎とは
- 「過去6ヶ月以内に3回以上、12ヶ月以内に4回以上の急性中耳炎罹患」と定義される。
- 何らかのリスクファクターが、短期間に中耳炎を反復する原因となっていることが多い。
主なリスクファクター
- 低年齢
- 集団保育
- 母乳栄養期間
- 起炎菌の耐性化
- 治療
低年齢について
- 一般に、生後6ヶ月までは母親由来のグロブリンの存在により中耳炎を反復することは少ない。
- 生後6ヶ月から2歳までは臨床的に急性中耳炎の難治例が集中する。これは母体から移行した免疫が徐々に消失し、かつ自己免疫機能の発達が未熟であると考えられる。
集団保育について
- 低年齢保育の割合が増えるに従い、中耳炎起炎菌の耐性株を保菌する乳幼児の割合が増えてきた。
- 集団保育は、中耳炎の重要なリスクファクターではあるが、難治性感染症になるのは一部。2歳以上であれば、上咽頭に薬剤耐性菌が存在していても、病的意義はそれほど高くない。
- しかし、免疫の未熟な0歳から2歳未満の低年齢保育の場合には充分な注意が必要となる。
母乳栄養期間について
- 中耳炎の既往が少ない小児では、有意に母乳栄養期間が長い。
- 母乳に含まれる分泌型IgAが細菌感染に対して防御的に働いている。
起炎菌の耐性化について
- 薬剤耐性菌が増加し、抗菌薬に抵抗する難治例が増加している。
- 集団保育による上気道感染機会の増加と、副鼻腔の不完全な除菌が、反復性中耳炎を促進させる。
治療について
- 不適切な抗菌薬の選択などが中耳炎の難治化が起こる。
- 保護者による勝手な薬の中断により、症状が難治化する。特に低年齢児における薬剤耐性菌の増加が問題視されており、適正な抗菌薬を必要な期間しっかり飲ませる事が大事である。
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