乳がんについて(勉強会メモ)
乳がんとは
- 進行遅い。1センチになるのに7~8年かかる。長い潜伏期間あり。
- 昔の治療は、筋を含めて一塊に乳房を切り取る外科手術だったが、近年では温存療法が主流。外科の手術は縮小傾向にある。
- 乳がんの70%はエストロゲンで大きくなる。
治療について
- タモキシフェン:リンパの転移が無くても、5年投与で再発を半分に減らす。
- 閉経後も副腎からエストロゲンが出るので、薬剤は必要。
- HER2過剰発現が無い場合は、ホルモン療法と化学療法の組み合わせ。
- HER2過剰発現が有る場合は、①ハーセプチン(トラスツズマブ)で外のスイッチをOFFに②ラバチニブ(タイケルブ)で細胞内の信号をブロックする。
- エストロゲン受容体そのものを減らすSERDアロマターゼ阻害薬あり
- 治療は、ホルモン受容体のプラスマイナスやHER2のプラスマイナスと遺伝子解析で、再発率を予想する。
- AtLAS試験:タモキシフェン5年投与後に更に10年、もしくは5年投与した結果、10~15年で再発率の差が出てくる事がわかった。
質問と回答
※全てタモキシフェン投与についての質問
Q:タモキシフェン投与中のホットフラッシュへの対応は?
A:血中のエストロゲン低下により、体温調整ができなくなる為にホットフラッシュが発生する。ホットフラッシュは、ホルモン両方の約半数で出てくるが、だんだん良くはなってくる。
治療は、漢方、ガバペン、抗鬱剤、カタプレスなど。
Q:月経への影響は?
A:エストロゲンを抑えているわけではないので、ほとんど影響は無い。もし無月経になっても、投与を中止すれば元に戻る。
Q:妊娠への影響は?
A:催奇形成があるので妊娠は避けること。タモキシフェン投与中止後も2ヶ月は避けるように(一ヶ月半経てば血中濃度がほぼ0になる為)
術後二年間は妊娠しないように。
Q:骨粗しょう症への影響は?
A:アロマターゼと異なり、タモキシフェンは骨量を保つ方向に向かう。第一選択はタモキシフェンでOK。
アロマターゼからタモキシフェンにするのも選択の1つ。
Q:タモキシフェンとLHRHアゴニストの併用について。
A:40歳未満の閉経前の女性であれば、臨床試験上では有効であった。
Q:タモキシフェンからアロマターゼへの切り替えの基準は?
A:タモキシフェンを2、3年投与後にアロマターゼへ切り替えると、タモキシフェンのみ5年投与した時よりも予防効果は上昇した。
5年目以降に再発しやすい人には有効(遺伝子検査で判断?)。
Q:ホルモン療法が長くなることによる副作用への影響は?
A:5年~10年の投与では、子宮体がんの発症への影響はあまりない。
視神経の乳頭に変性が起きるため、視覚障害が起きる可能性がある。
中止しても元に戻りにくい。異常が出たら速やかに眼科へ紹介すること。
Q:OPE後10年経ったら、どのように検査すべきか?
A:年に1回のマンモグラフィで検査をすること。エコーはしこりが有る時に精査として行う。血液検査は定期健診としてやるのはあまり意味が無い。
Q:子宮筋腫がある人へのタモキシフェン投与は?
A:タモキシフェンを使うと、筋腫が大きくなることがあるので、LHRHアゴニストが第一選択になる。
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