くすりの木

勉強会の内容や、日々の業務で必要な知識を、健忘録としてこのブログに書いていきます。不定期更新です。

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

中耳炎について(小児)

【中耳炎は子どもに多い病気】 子どもは、風邪をひくと中耳炎になりやすいと言われています。子どもが耳の痛みを訴えたりしたときは、すぐに耳鼻科を受診しましょう。 また、子どもの軽い難聴は、滲出性中耳炎が原因の事もあり、放置すると治療が困難になり…

インフルエンザウイルスの構造と、パンデミックウイルスへの変容、対応について

【インフルエンザウイルスの構造について】 インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型の三種類に分けられる。 A型は突然変異しやすく、世界的に大流行を起こしやすい。B型の流行はやや小さく、C型は地域的な流行を起こすと言われている。 インフルエンザウイ…

正しい保湿剤の使い方、知ってますか?

今回は、保湿剤の重要性、塗る時のポイントについて書かせて頂きます。 ちょっとした一工夫で、皮膚の保湿力がUPします(^^) 【保湿剤の重要性】 保湿剤は、皮膚に水分を与えたり、その水分が逃げないようにする役割があります。 皮膚が乾燥した状態になると…

小児の結膜炎、めやに

【症状】 結膜の充血や涙、眼脂が現れる。炎症が強いと、眼の痛みや異物感、まぶしさ等を訴えることもある。 鼻水、鼻詰まりのある乳幼児に眼脂が出ることは多いが、鼻閉による一時的な鼻涙管うっ滞によるもので、結膜炎ではない。 【分類】 【細菌性結膜炎…

マンゴーアレルギーについて

アレルギーについての問診で、「マンゴー」と答える人が多いと感じる今日この頃。 というわけで、ちょっとマンゴー関連のアレルギーについてまとめ。 @@@@@ 実はマンゴーはウルシ科の植物。 マンゴーに含まれているマンゴールという物質は、漆に含まれ…

小児のインフルエンザ

今回は親御さん用に書かせて頂きます。 これからインフルエンザの流行が予想されますので(12月~3月の流行が多い)、少しでも参考になれば幸いです。 【治療について】 ・薬をもらったら、すぐに治療(内服、もしくは吸入)を開始すること。 ・インフル…

自家中毒症

「自家中毒」といっても、食中毒ではない。 4~5歳の幼児が、喜怒哀楽のような心理的ストレスや、発熱のような病気によるストレスにより、突然嘔吐を繰り返す。 10歳頃までには自然治癒する、予後良好な病気である。 通常は数日以内で治癒する。一週間も…

小児の誤飲~ボタン電池~

ボタン電池の誤飲は、1歳前後が多いが、3歳過ぎまで誤飲の報告がある。 コイン形ナトリウム電池の場合、電圧が3Vと高く、安定した放電が怒り、消化管内で停滞するとそこで体液が電気分解される。 電池の陰極に、水酸化物イオンが発生し、そのアルカリで1…

小児のじんましん

【概要】 原因除去がじんましん治療の基本であるが、原因を見つけるのは容易ではない。 治療は痒みの除去などの対症療法となる。 治療を中止すると再発することもある。 アナフィラキシーはじんましんの重症型で、咽頭浮腫やショックを起こし、生死に関わる…

アトピー性皮膚炎は汗をかくのも大事

以前は、「アトピー患者は汗をかかないほうが良い」と言われていたが、 一部の患者で、発汗の機会を持ち、かいた汗を洗い流すことで皮疹が改善するケースが報告されている。 汗は、体温調整以外に、保湿や完全防御(抗菌ペプチドやIgAなど)の機能があり、汗…

熱性けいれんの予防について

《ジアゼパム予防投与の基準》 ・単純型熱性痙攣で2回以下なら、予防投与の必要はない ・複合型熱性痙攣なら1~2回起こせば予防投与を開始する。 ※以下の鑑別事項が1つでもあれば、複合型熱性けいれんとなる。 けいれんの持続が15分以上、けいれんが半身…

小児の気管支喘息 その1

小児の気管支喘息は、約90%がアトピー型である。乳幼児期に発症し、60~80%は思春期に無症状となり寛解する。 《急性発作時》 決して我慢させず、家庭での対応に限界が有る場合(下記参照)は、速やかに医療機関を受診すること。 このような場合は救急受診…

災害時のこどものアレルギー疾患対応パンフレット

日本小児アレルギー学会が作成した資料です。 災害時は慣れない環境での生活になりますし、症状の増悪が懸念されます。 このような資料をお手元に置いておくのも良いかと思います。 ↓↓↓ 日本小児アレルギー学会 - 災害時のこどものアレルギー疾患対応パンフ…

小児の誤飲について~消毒液~

今回の消毒液は、市販の消毒液についてですが、中毒症状を引き起こす成分(ナファゾリン)は点鼻や点眼液にも含まれている事があります。 保管には十分に注意してください。 【消毒液(マキロンなど)】 ナファゾリン(市販の消毒液には、血管収縮薬として入…

小児の誤飲について~うがい薬~

【うがい薬】 主成分によって、対応が異なるので注意。 《ポピドンヨード》 イソジンガーグル、イソジンうがい薬、ケンエーうがい薬などの場合、ほとんど症状が現れない。 牛乳などをのませて様子をみる。 大量に誤飲している場合は、催吐、または胃洗浄。 …

小児の誤飲について~アセトアミノフェン~

前回に引き続き、今回はこれです。 【アセトアミノフェン】 初期に無症状でも、遅延性の肝障害に注意して経過観察する。 (2~3日後に肝障害が出ることあり) 小児の場合、125~150mg/kg以下でも毒性発現の可能性あり。 (12歳未満の中毒用量は200mg/kg以…

小児の誤飲について~タバコ~

【誤飲の現状】 全国の小児の誤飲の報告件数をみると、過去何年もの間、1位がタバコ、2位が医薬品を占めている。 オモチャやボタン電池の誤飲の報告も多い。 【タバコ】 通常のタバコは感想しており、口のなかに張り付いて簡単には飲み込めない為、重篤な…

緑内障治療について その2

その1の続きです。 《服薬指導時のポイント》 ・日内変動、季節変動があることを頭にいれて説明する。 日内変動:昼にあがり、夜に下がる。3~6mmHgの差がでることがある 季節変動:夏に下がり、冬に上がる。1~5mmHgの差がでることがる。 【指導例】 …

緑内障治療について その1

《緑内障の治療の意義》 日本の失明の約25%は緑内障。40歳から発症し始める。 自覚症状は末期まで無い。20~30年かかってゆっくり進行し、無症状で経過する。 充血や痛みなどが出てくるのは、非常にまれ。 眼圧の高くない緑内障が日本人に最も多いタイプ(…